| ■高まる社会人エンジニアの大学院就学率
大学卒業者の大学院進学が増えています。中でも国立を中心とした理工学系学部の進学者が多く、文部科学省の学校基本調査報告書によれば大学卒業者の大学院進学率は理学部系がトップでおよそ42%、ついで工学部系がおよそ32%となっています。中には80%以上の卒業者が大学院へ進学する例も見られます。同時に社会人の大学院就学率も高く、修士課程では院生全体のおよそ11%、博士課程ではおよそ32%、専門職大学院では37%を社会人が占めるほどです。(平成19年度、学校基本調査速報/文部科学省などによる)
科学技術の進歩は目覚しく、大学で学んだ理論・スキルだけでは社会が必要とする先端の技術力、実践力に付いて行けないため、勢い大学院への進学率が高くなるといわれます。これは企業等の現場においても同じで、社会人エンジニアが大学院でより高度な専門職業人を目指して再教育を受けているわけです。情報・理工学系大学院への進学は今後も高まることは必至です。
●ITやコンテンツの情報系大学院(研究科)が人気
世の中の進歩に合わせてIT技術は飛躍的に伸び、それに呼応するようにプログラミング、ネットワークシステム、Webシステム、情報セキュリティ、ITビジネスなどを学ぶIT系や、画像、映像、ゲームなどのスキルに関わるコンテンツ系の大学院(研究科)が人気を呼んでいます。IT系大学院には専門職大学院も誕生していますし、大学院名に情報セキュリティを冠した大学院もあります。
独立大学院の京都情報大学院大学応用技術研究科や神戸情報大学院大学情報システム研究科はIT系の専門職大学院です。また独立大学院の情報セキュリティ大学院大学は情報セキュリティに特化しています。一般の理工学系大学院にもIT技術に関するプログラムを履修できるところがたくさんあります。
コンテンツ系大学院(研究科)も増えてきました。独立大学院で株式会社立のデジタルハリウッド大学院大学デジタルコンテンツ研究科はコンテツに特化した大学院です。ITコンテンツは芸術系大学院でも学べるところがあります。
●注目度がさらにアップする理工学系大学院
我が国の科学技術に対する研究開発費は世界最高水準にあり、この分野に取り組む我が国の積極的な姿勢がうかがえます。また、科学技術の研究開発は官民・産学が一体となって取り組んでいて、その一端を大学院が担っているわけです。
今後の国家基幹技術として位置づけられている宇宙開発や原子力開発、スーパーコンピュータ開発をはじめ、注目のIT技術やメカトロニクスに代表されるロボティクス、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、新素材などに関係する理工学系大学院はその注目度がさらにアップするでしょう。
中でもロボティクスは、我が国が世界をリードする最先端技術の一つです。千葉工業大学大学院と同大学の未来ロボット技術研究センターや芝浦工業大学大学院工学研究科のロボティクス・メカトロニクス研究などに、大きな期待が寄せられています。さらに21世紀の最重要技術とされるナノテクノロジーは新素材やIT、バイオ、医療など広範な産業の基盤になるもので、東京大学大学院や東京工業大学大学院をはじめとする大学院で履修できます。
主に社会人を対象に、高度専門職業人を育成する専門職大学院は理工学系大学院にも誕生して、その数や学問ジャンルは広がりを見せよとしています。また、一般の理工学系大学院でも積極的に社会人を受け入れており、自身の専門分野をさらにレベルアップさせることも、新たなジャンルにチャレンジすることも可能です。
技術をマネジメントするMOT(技術経営)を学べる理工系大学院もたくさんあり、社会人の理工系大学院への挑戦が期待されます。 |