■教員免許の更新制を検討
教員の資質が問われています。ある地方自治体では小・中学校教員1万人のうち指導力不足を理由に特別研修を受けた教員が平成16年度から18年度の3年間に19人おり、研修後現場に復帰した教員は1人だったということです。1万人のうちの19人という数が多いのか少ないのかは解釈のしようですが、教員の教科指導や児童・生徒に対する生活指導等の力が低下の方向に向かっているのは確かです。
教員の指導力維持と強化のために、中央教育審議会は教員免許の更新制を文部科学大臣に答申しました。これは幼稚園、小・中・高校教員免許に10年の有効期限を設けて、期限が来た教員(現職教員はおよそ110万人)には30時間の更新講習を行うものです。講習を受けなかったりして修了できないときは免許状が失効となります。問題点もあるようですが実施されると教員の指導力不足解消の手助けになるでしょう。
■教育に果たす大学院の役割
(財)日本生涯学習総合研究所の調べでは教育系大学院は160校あり、その役割は、主として現職教員のスキルアップ(学校教育の理論と実践を総合的に高める)、スクールリーダーの養成、学校・学級経営等のマネジメントができる人材の育成です。
この目的に沿って、教育系大学院の多くは学校等の教育現場に貢献できる高度な専門職業人の育成に力を入れています。現職教員特別選抜はその一環で、先生方のリフレッシュ教育の場となっています。受け入れは修士課程なので修業年限は2年ですが、長期履修学生制度を利用すれば最長4~6年になります。また履修形態も、2年間のうち前半の1年間は職場を離れ大学院の授業に専念し、後半の1年間は職場に復帰して勤務状況を見ながら大学院に通うなどいろいろあります。スキルアップを目指す現職教員にとっては願ってもない制度です。
1種免許状を所持している教員が大学院修士課程を修了すると専修免許状を取得できます。現職教員にはこの専修免許状の取得を目的とする大学院修学休業制度があり、大学院に通う休業中は身分が保有され、1年から3年間フルタイムで大学院に在学して修学に努めることができます。これまでにおよそ1,500人がこの制度を利用しています。
また平成18年度からは、社会から信頼される学校づくりを推進するにあたり、高度な専門性と実践的指導力を兼ね備えた教員の養成や再教育のために「大学・大学院における教員養成推進プログラム(教員養成GP)」が実施されました。現在国私立33大学・大学院でこのプログラムが実施され、優れた教員養成を行っています。
●大学院在学で小学校教員免許状が取得できる!
教職系大学院は現職教員のためばかりでなく、無免許の社会人が教員免許状を取得できる制度もあります。たとえば愛知教育大学大学院教育学研究科や兵庫教育大学大学院学校教育研究科では、小学校教員免許状を取得したい社会人に対して修業年限3年の小学校教員養成プログラムを準備しています。大学院に在学しながら3年間の長期履修学生制度を利用して学部の教職課程を履修することで、小学校教諭(1種)・専修免許状が取得できるのです。
●臨床心理士の受験資格も取得できる!
教育系大学院には臨床心理士の受験資格が得られるところがたくさんあります。高度な教育心理学や発達心理学を習得して臨床心理士の資格を取得できれば、スクールカウンセラーなどでその資質を発揮できますし、教師として、こころを病んでいる児童・生徒の援助とケアに大いに役立つことでしょう。